【d!】この神社の神様たち。 (ページ4)

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『見ィツケタ』
　

「……っ！」

ゾワっとした感覚にバッと目を開ける。

黒いマットから体を起こし小さく息を吐いた。

背筋が寒くなるような夢だった気がするのに、さっきまで見ていたはずなのに夢の内容はもう思い出せない。

「それにしても、思ったより快適なんだな…ネットカフェって」

初めて泊まったネットカフェは女性専用階でシャワー室も小部屋もその階全てが女性しかおらず、独特な匂いもなくかなり快適に過ごせた。

強いて言えば少し冷房が強く足先が冷えたぐらいだろう。

「もう１０時か…」

土曜日とはいえ寝過ぎたと思ったが、彼氏のために朝食を作ったり、掃除をしたりしなくてよくなったことを考えるとたまにはいいかと自分を許せる。

悲しい気持ちは今も多少あるが絶望までしてはいない自分に少し安心していた。

遅めの朝食を食べメイクを済ませる。

机の上に置かれた巾着袋を見て「夢じゃなかったか」と思いながら紐を解く。

色のついたガラス玉をひとつ持ち上げ天井の光にかざしてみた。

「……綺麗」

指で摘んだガラス玉の色は紫色。

巾着の中にはそれ以外にも色のついたガラス玉が入っている。

色ごとに意味があるのかなと考えながら傷つかないようにゆっくり袋に戻した。

「ちゃんとお礼もしてないし…明るい時にって言ってたからやっぱり行ってみようかな…」

ネットカフェが快適だということも分かったし大丈夫。
とにかく行ってみよう。

大きな荷物だけコインロッカーに預け、再び街外れの神社を目指す。

栄えた街とはいえ少し歩けば住宅街があり、閑散とする田舎だ。

住むのには丁度いい街なんだよなぁと考えながら歩いていると再び神社の前に到着した。